「…じゃ…私もそろそろ…」

二人っきりはちょっと…

用は済んだから帰ろうとした。

「えっ、帰るの?」

「まだ良いだろ?ちゃんと家まで送るからさ!」

うっ…、

そんな目で見ないでよ…

悪い人になった気分だよ


「じゃ…、少しだけ…。」

頷いた私に、健吾の顔は明るくなった。

健吾が買って来たレモンティーを貰い、カウンター席にお互い座った。

「………」

「………」

何を話していいかわからず、沈黙が続く…

「あ…、ここに住んでるって…」

思い切って私から話しかけた。

「ん。2月から世話になってるよ。」

苦笑いしてるように見えた。

「だから平井さんは早めに帰るわけ。」

なるほど…

「あ、あのさ…、写真嫌いって言ってただろ…?その…なぜか気になって…」
健吾は頭の後ろに手を置き、ボソっと言ってきた。

「昔から写真写りが悪くて…。それに自信もない。」

「えっ、そんな理由?」

コクンと私は頷いた。