“カシャッ…!”

桜の優しさに甘えて泣くところだった…
…だけど、今の一瞬の音で 私は我に返った。
そこに私以外の人がいることを初めて気付いたのはこの時だった……


スラッと長身な背丈、さりげなく着こなしてる白いワイシャツと はき慣れてるようなジーンズ…
その人の顔に構えられた一眼レフのカメラが 私の方に向いていた……


「ごめん、ついシャッターを押してしまった…」

カメラがその人の顔から離れていく。
私は、今の状況がわからずその人をただ見てた。
そして、今、その人が男性だと気付く。