カラン、カラン…

扉が開く音がした。

私と平井さんは、同時に 振り向いた。

何て良いタイミングだろう。 健吾が汗をかきながら 買物袋に一杯の飲み物を持っている。

その姿を見て、笑いながら平井さんが『そんなに誰が飲むんだよ』と言っていた。 私も軽く口に手を当て クスッと笑ってしまった。

「今の高校生は何を飲むのかなと思ったらつい…」

赤い顔をして恥ずかしがる健吾。
可愛いな…と思ってしまった。

「じゃ、私はそろそろ行くよ。」

平井さんは健吾が買ってきた缶コーヒーを持って出て行った。


「…い、おーい、ミキ!」

「うゎっ!何ですか?!」

私、ボーッとしてたんだ。健吾の呼び掛けにビックリしてしまった。

「あ、あの平井さんはどちらに?」

飲み物を冷蔵庫に入れてる健吾に話しかけた。

「平井さんは、今日はもう帰って来ないよ。」

私の質問にあっさりと答えてくる。

「えぇっ!?」

じ…じゃぁ これから二人っきりってこと…だよね?