「あ…、う、海、好きなんですね。」

やだやだ〜、声が浮ついちゃってるよ〜!

「あ、あぁ。毎日ここには来るよ。」

健吾は遠い目で海を見た。

「前に会った日も、海にいたよね。」

「………」

健吾は真っ直ぐ私を見てる。

「私…、写真は嫌いです。」

「……」

「でも、あの日の携帯で写した写真が忘れられません。」

今でも携帯の中で保存している。

健吾は黙って私の話しを聞いていた。

「どこまで貴方の力になれるかわからないけど…、やってみようかな…。」

「………」

「………」

私達はお互いを黙って見つめ合った。

この静けさは嫌いじゃなかった。

「本当…に?」

口を開いたのは健吾の方だった。

コクン…。
黙って私は頷いた。