何を言っても 言い返えされる。 そんな言葉のやり取りを続けてしまった。

「…ミキ、これ見て!」

ふと、反射的に健吾を見てしまった。

「―――っぷ!」

あっ……、思わず笑ってしまった。気付いたときはもう撮り終わった後だった。

ずるい…!あんな変な顔をされたら誰だって笑うじゃない……!

「よし、上手く撮れたぞ。」

健吾は満足そうな顔で、携帯を渡してきた。

「……………」

携帯を見て言葉が出なかった。

「ちょうど今時間は夕日が出る頃なんだ。青い空と夕日のオレンジがすごく綺麗でさ…、一度このシチュエーションで撮ってみたかったんだ…。」

健吾は夕日色に染まっていく空を静かに見ている。
「前にも言ったと思うけど、笑った顔が可愛いよ。」

「これ…、本当に私…?」

口に軽く手を当て、携帯に写された自分に見入ってしまった。

健吾の言った通り、青い空に加わる夕日のオレンジがすごく綺麗…

私、笑うとこんな顔をするんだ……