放課後…。

「ごめーん、俊の部活が急に中止になっちゃって…。デートに誘われちゃった…。」

私の前で手を合わせ、若菜は申し訳なさそうに謝ってきた。

「えーっ、私一人で行くの〜?」

「本当にごめん、1ヶ月ぶりなの、デート。だから、許して、ねっ?」

「……しょうがない、許すよ。今度何かおごってよね。」

『ありがとー』と若菜は私に抱きついてきた。

「一人が嫌なら三上先生に頼んでみたら?」

上履きを脱ぎながら若菜がポツリと言った。

「大丈夫、携帯返してもらうだけだし。」

先生に頼むわけにはいかない。忘れようとしてるんだから。 若菜は少し心配そうな顔をしてる。

「ほら、俊君が校門の所で待ってるよ。」

若菜の背中をポンと押し
若菜は俊君のもとへ走って行った。