「私、行きませんよ。」

「ふーん……」

健吾は、じーっと私を見ている。

―――――――――!?

一瞬だった―――。

「な、何するんですか!?」

「コレ返して欲しかったら、今日 渡したメモの場所に来いよ。」

健吾は一瞬の間に、手に持っていた私の携帯を奪っていた。

「返してください!」

「ヤだね。」

彼の笑みは悪ガキのよう。

「サイテー!」

「絶対 来いよ。待ってるからさ。」

健吾と中年の男性は、人混みの中をかきわけながら学校を去って行った。