校内中に話しが広がり、廊下は女子生徒で溢れていた。

興奮している生徒を落ち着かせるため 先生達が注意している。
その中には 少し困り顔をしている三上先生もいた…

「若菜ーっ、教室戻ろうよーっ!」

人混みに押され必死に言った。

「何言ってるのよ!これはチャンスなのよ!一人の人はイケメンだって言ってたでしょー!一目でも見たいじゃないー!!」

人混みの中を抜け出し、グッタリになった。

「上田…?」

三上先生が私の前に来た。

こんな所で先生に会いたくなかったな…。

「先生、まだ校長室にいるの?カメラマン♪」

若菜が私の後ろから出てきて先生に話しかける。

「いるみたいだけど、カメラマンなのかぁ?」

「もう学校中の噂だよ。一人はイケメンだって〜」
「星は彼氏いるだろ?いいのか?」

「それとこれは別。見るだけは浮気じゃないからね。ミキのために来たの。」
「上田の…?」

“バカ、若菜っ!”

私は後ろで若菜の背中をおもいきり 抓った。

「…ったぁ〜、ミキ、何するのよー!」
若菜は私を軽く睨んできたが、知らないふりをした。