――――休み時間。

私と若菜は 夏休みの話しをしていた。

「高校最後の夏休みもバイトだけかなぁ…」

若菜が携帯をいじりながらぼやいていた。

「バイトだけじゃないでしょ?若菜には 俊君がいるでしょ。」

阿部 俊一『アベ シュンイチ』、通称 俊君。若菜の恋人で 隣の男子校の2年生。サッカーが上手くて若菜には勿体ないくらい 素敵な彼。

「だって〜、俊ったら夏休み中ずっと部活だよ!なかなか会えないし…」

「それでも 毎日部活が終わった後、若菜に会いに来るんでしょ?すごいよ、俊君。」

「まぁ…、先に惚れたのは俊なんだから、それもあるかな?」

「いいね。彼のいない私はバイトで休みが終るよ…」

私は買って来た りんごジュースを飲んで苦笑いした。