「今年の桜も変わらず綺麗…」

校門まで続く緩やかな坂道。その両側には桜が満開に咲いて出迎えていた。

…私は今この桜の木の下にいる。
始業式には出たくなかった。
あの人に会いたくなかったから…
あの場所にいたら、無意識に彼を探すだろう。そして彼も周りの人達に気付かれないように私を見るだろう。それがわかっていたから私はあの場所にいたくなかった。

出来れば1年間会うことなく卒業していきたい。そう思うのは私が子供過ぎるせいだろうか。 残りの1年、会わないことなんて絶対ないってわかってるけど…
彼は先生だから…
2年間片思いしている先生だから…、学校で会ってしまう。