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遅いな…健吾。


一人残された私はため息をつきながら健吾を待っていた。


ちょっと待っててと言われてどこかへ行った健吾。


どのくらい待っただろう……、


一人でいてもお祭りは楽しくない。誰かと一緒だから楽しく笑ったりするのに…。


もう、さっきの約束守ってやらないんだから…


だんだん心細くなってく気持ちをごまかそうと、目の前を通る人達を見る。


無邪気にはしゃぐ子供達…、


笑い合う家族…、


観光客の人達…、


そして、幸せそうな恋人達……。


知らない土地だから勝手に歩き出すわけにはいかないし…


「遅いよ…」


周りのざわめきと、祭囃子の太鼓の音で 私の声は誰にも聞こえない。


「一人にしないでよ…バカ健吾…」


どんどん涙が溢れてくる…


早く来て…健吾…。