捨てられた子猫のように
私を見つめてくる健吾に、嫌とは言えなかった。


「…もっと健吾を知りたいから、嫌じゃない…」


恥ずかしくて下を向いてる私の頭を優しく撫でてくれた。


―――――。

「まだ昔のままなら、この窓は開くはずなんだけど…」


健吾は、子供の頃の記憶がハッキリと覚えてたかのように 躊躇いもなく一部分の窓に手をかけた。

そんなの無理に決まってると思ってた矢先……、


“カチャッ…!”


「ウソ…、開いちゃったの…?!」


呆気に取られてる間に 健吾は軽々と校舎の中に入ってしまっていた。
窓から手を差し延べてくる。


「ミキ、おいで。」


「…でも…」


躊躇っていた私の体を軽々と持ち上げられ簡単に中へ入ってしまった。
突然の事で言葉もない私に 健吾は軽い笑みをみせた。

そんな顔を見ると私の顔も自然と笑顔になる…