「うん…、今の高校生はみんな可愛いんじゃないかな」


「じゃ、明日若菜も一緒に撮ってみます?」


「ミキ…」

冗談ぽく話した私に、健吾がポツリと呟く。


「前にも言ったと思うけど、俺はミキが良いんだ。あの春の日、写真を諦めようとした俺にミキと出会って心の中がうずいたんだ。彼女を撮りたい。彼女の全てを写真に写したいって…。もうその日から俺にはどんな人や綺麗な風景よりも、ミキしか見えない、思えないんだ。」


「だから、もう少しだけ俺の夢について来て欲しい…」


そう言って 私を見る健吾の目は、とても優しくて、でも強く芯があるそんな目… 視線を反らすことも出来なかった。

彼を見てドキドキが止まらず、ただ言われた事にコクンと頷くしか出来なかった。