「あの、入っても良いかしら?」


えっ、健吾のお母さん?!
慌てながらも、手で髪の毛を整いながら返事をした。


「ど、どうぞ。」


「紅茶…好き?」


可愛いらしいティーセットを持って笑顔でお母さんが入ってきた。
あぁ、なんて紅茶が似合いそうな人なんだろうと思いながら、入れてくれた紅茶を見る。


「もう一人の女の子は?」


「あっ、若菜なら隣の男の子の部屋に行きました。すぐ戻ると思いますけど…」


近くで見ると、すごく自然に綺麗な人だな…。なんか緊張する…。


「あっ、あの自己紹介が遅れてすみません。私、上田ミキと言います。よろしくお願いします。」


「もしかして、ミキちゃん、緊張してる?」


「はい…少し…」


そんな私にお母さんは軽く微笑んでくれた。


「実はね…、私も主人も緊張してるのよ。」


「えっ、そうなんですか?!」


どうしてかわからず、私は首を傾げた。