「さぁ、着いたぞ!」


着くまであまり時間がかからなかった。

軽井沢―――。

ここが健吾の生まれ育った場所なんだ…。


車から降りて、一番先に目に着いたのはペンションだった。


「うわーっ、カワイイー!」


若菜と一緒に言葉が出て
手を握り合って喜んでる私達に、荷物を降ろしてる健吾と俊君は苦笑いしてた。

洋風の可愛いらしいペンション。
建物を囲むように、白樺の木がとてもこのペンションに似合っている。

空気も澄んでいて、風も気持ち良い。
ぐるっと周りの景色を見ながら ハァ〜っとうっとりした。


なんだか夢の中のようなんだもん。
私が思い描いていた場所そのものだから…
あとは 健吾の両親と上手くいけばな…、と心の中で思ってたら………


大きな玄関から、中年の夫婦が揃って出て来た。