「ミーキっ」


「若菜…」


後ろから若菜が身を乗り出して話しかけてきた。


「何も心配する必要ないよ!健吾さんも私達もいるんだからさ!楽しい思い出作ろう!」


「若菜…そうだね」

少しホッとした私を見てか、健吾は私の頭にそっと手を乗せてくれて、もっと気持ちが落ち着いた。
車は少しスピードを上げ、何台か追い越して行く。


みんなから元気をもらった私は、この旅行を最高の思い出にしようと心に決めた。

健吾の両親に会っても大丈夫、いつもの私を見てもらおう。

高校最後の夏休み。
そして健吾と付き合って初めての旅行。

どんな思い出になるのか楽しみにしながら、着くまで子供のようにはしゃいでた私だった。