「一目惚れだった…」


口元を緩め穏やかな顔で私を見て言った…


「何度もミキを忘れようとしたよ。でも忘れようとすればするほど、逆にまた逢いたいって気持ちになってた…」


「だからあの時平井さんと学校に…?」


「そう…。やっぱり諦めきれなくて学校に行ったんだ。で、ミキにモデルの話しをした。」


“へぇ〜…そうだったんだ…”


突然の出会いに、偶然の再会だと思ってた。
まさか健吾がそんな事を思ってたなんて…


「あ〜あ…」


「……?」


「このままカメラマンとモデルの関係でいられる自信あったんだけどなーっ」


ため息をつきながら海を眺める健吾の顔をチラッと見た。
なんだか健吾が年上だということを忘れるくらい少年のような顔に微笑ましくなる。


「これからも私を撮ってくれますか?」


その返事にまた抱きしめられ、耳元で囁かれた…


『これからもじゃなく、ずっとミキだけを撮り続けるよ…』


そして今日何度目かのキスをした。
波の音と、沈みかけてる夕陽に祝福されてるようだった………