「……。」


私は先生の顔も見れず、黙って下を向いたまま。


「ミキ…」


「……。」


沈黙を破ったのは健吾だった。


「おい、ミキが何をしようとあんたが知る必要ないんじゃないのか?」


「私はここの教師だ。生徒が何をしているか聞く権利はある。カメラマンだか知らないが、上田を巻き込むのは止めて欲しい。」


「あんたなら、生徒に何しても良いのかよ。さっきから黙って二人を見てたけどあんた、ミキをどうするつもりなんだ?」


「私は生徒を家まで送るだけだ。」


「ふ〜ん、俺にはそう見えなかったけど。」


「君、失礼だぞ!」


二人の会話のやり取りを黙って見るしか出来なかった。


大人の態度をとってるようだけど、感情的になってる先生。


逆に健吾はとても冷静で余裕のある顔で先生を見ていた。


あんな顔をしてる先生も健吾も初めて見る。