朝方。
眠れずにいた。
日が昇り始めていた。
カーテンの隙間からいつも同じ太陽の光が漏れていた。
しかし、いつもと同じ朝ではなかった。

「ピピピ。。。ピピピ。。。」
携帯電話が鳴った。「非通知設定」奴か?
「もしもし。。。」
「やあ、おはようございます。朝早くから申し訳ない。あまり時間がないもんでね。」
何か機械を通したロボットヴォイスのような声だ。
「お前、何者だ!」
「まあまあ、そう熱くならないでくださいよ。
そんな事より、早く支度してください。あなたの住んでる街からは少しだけ遠くまで
足を運んでもらう事になりますから。」
やつは、この場所も把握してるのか?
「ではまず、とりあえずですが、渋谷まで行ってもらいましょうか。
「渋谷?」
「はい。渋谷です。その前に、玄関の扉を開けてみてください。」
俺は立ち上がって、玄関までいった。
ドアノブに手を掛けて、ドアを押した。
何かがドアにひっかかっている。
「これは。。。あの男が持っていた黒い鞄。。」
鞄をドアノブからはずした。
「はい。触ってしまいましたね。ふふふ。。。その鞄の表面は特殊な素材で出来てましてね。
あなたの指紋を感知するんですよ。それで、あなたが3分以上鞄に触れていない時間があれば、
その鞄は爆発します。おっとこの間の爆発とは訳が違いますから。
あれは、私が故意的に爆破させたものですからね。
まあ、半径100メートル以内の物はふっとびますよ。
あなたが、他人なんかどうでもいいっておっしゃるのなら別ですがね。ふふふ。
とりあえず家を出ましょうか。」