あたし、
顔洗って、
涙のあと拭い去った。

笑って
カズに会いに行こうって、
決めたから。

夕方の公園、
いつも会ってた想い出の場所。

カズは先に来て、
ベンチに座って待っていた。

「カ~ズっ!」

あたし、
思いっきし明るい声でカズを呼んだ。

「おう…」

やっぱり、カズは元気ない。

「何だよぉ、カズ、元気ないじゃん!」

「サキ、さっきはごめん…」

「え~、何?あたし、何にも怒ってないよぉ」

「俺、最近、お前に謝ってばっかだし」

「カズ…」

「俺、自分が自分で上手く扱えない。俺、自分の気持ち、持て余してんだ」

苦しそうなカズの顔。

いつも明るい、
元気なカズのそんな顔
見たくないよ…

「カズ…あたし、カズがそんなに苦しいなら、別れてもいいよ…」

そう口にしたら、
目の前が白くなった。

胸がきゅっと締め付けられて、
悲しくて、
涙が溢れてきた…

「馬鹿野郎!サキ、違うんだよ!」

カズがあたしをきつく抱きしめた。

違うって、何が?

あたし、苦しいよ…