あたし、
部屋で一人、
考えてた。

伊豆の夜、
浜辺でのキス、
カズの言葉、
「サキ、愛してる…」
って、
でもカズはあたしを抱かなかった、
抱こうと思えば
すぐ横にいたのに、
きっと、
一晩中、
あたしの寝顔を見てたんだ…
マユとヨッシーが
大学卒業したら結婚するって
あたしが羨ましそうに報告した時も、
カズ、
なんだか悲しそうだった…

カズ?
あんたは『愛』って言葉が重荷になったの?

相手を大切に思う気持ちとか
責任とか、
そんなものが重荷になったの?

あたし、
そんなもの望んでないよ!

だた、
カズに側にいて欲しいだけ、
優しく抱きしめて、
キスして欲しいだけ…
でも、
それさえあんたにとって重荷なら
あたし、
別れてもいいよ…
カズが苦しむ姿なんて、
あたし、
見たくないもの…

その時、
あたしの携帯が鳴った。

『サキ、会いたい、公園で待ってる』

カズからのメール。