玄関は入って、
あたし、
ちょっとビビッたよぉ~

お父様とお兄さん、そしてカズ
男三人、
ずらっと玄関に並んで
いらっしゃいませしてるんだよぉ~
あたし、
取って食われるかもって、
マジ恐かった。

「やぁ、いらっしゃい。サキさん?和徳の父です」

お父様が挨拶された。

「はい、わたし、鈴木咲です。今日はお招きありがとうございました」

「まぁ、まぁ、サキちゃん、そう緊張しないで!無理やり呼んだの、こっちなんだしぃ、こんな男ばっかのむさい家に、ようこそおいでくださいました、お姫様!」

お兄さんがすっと歩み出て、あたしの手を取った。

「やぁ、今日は以前にも増してお美しい…」

「兄貴、どさくさ紛れて、サキに触るなよ!」

「わぉ、カズくん、恐ぁ~い」

「ほら、みんな、そこどいて!サキさん、上がれないじゃない」

容子ママが、クスクス笑ってる。

「見て、可愛いブーケ、頂いたの。唯ママさんから…」

はぁ~、ちゃんと聞いてた?
容子ママ、抜け目ない。

居間に入る時、後ろからカズが囁いた。

『今日のサキ、めちゃ可愛いよ』

って、さ。