男子は青山のほかに立候補者がいなかったから、代表委員は青山に決定。問題は女子、私かハルちゃんか。
「ねー、どっちに投票した?」
「あたしはつんだよ」
「うちはハル」
多分私は落選だな、と思いつつ、なれたらいいなぁと笑む。今現在結果を知っているのは、先生の手元にある茶色い投票箱だけ。ああ、早く開票してほしい。
投票箱周辺から人がいなくなった後、先生は箱の中に手を入れた。
適当に出された小さな紙を広げ、先生は大きな声で名前を言う。
「一票目!斉藤椿!」
「…ふー…」
まだ一票目だというのに、小さく漏れた安堵の声。
本番はこれからだ。
まあ、これは昔の思い出。
結果は一票差での落選だった。