「みんなしてひどいです!私だって女ですからオシャレくらいします!」
私が口を尖らすと2人は笑った。
なんだよみんなして!
いいもん!っと言いはなち、私はコートのポケットに手を入れて颯太先輩が来るのを待っていた。
待ち合わせ時間に5分分遅れて颯太先輩がきた。
「おせーよ、お前!今先に行くとこだったんだぞ」
「あはははごめんごめん!ゆっくり支度しすぎてた」
肩を叩き合う2人を見て留真先輩は
もうほっとこ
と言って私を連れて先に歩いた。
「今日何やるんですか?」
前を歩く留真先輩はニコッと笑い、
「盛り上がること」
と言った。
「盛り上がること?私、カラオケとかダメですよ。あとあまり心臓に悪いものは苦手です」
「心臓に悪いって遊園地とか?遊園地なら瞬と2人で行くよ」
遊園地でもカラオケでもなくて盛り上がる場所?
私は全くわからなかった。
わからないまましばらく歩くと留真先輩が止まった。
「よし!」
一言そう言った。
「車...?車が盛り上がるんですか?」
「今からスーパー行くの!悪いね、お母さん」
車をあけると運転席にはいかにも留真先輩のお母さんって感じの人がいた。