床を埋める 残飯の腐敗臭 獣の骸 鼻を突く死臭 その臭いに誘われ 耳障りな羽音を立てる 無数の蠅 幾何かの安らぎと 幾何かの本能 混ざり合う光と闇 地の底で何を思い 地の底で何を見入る 無理矢理に繕った 綺麗な衣装 醜悪な臭いを消すため 浴びるように振るった 高貴な香 地の底に在って それでも尚何を偽る 魔物の骸は 安らぎの表情を浮かべ 眠っているようだった 私の髪は蠅に覆われ ちっぽけに見えた