「癌です」








お父さんは崩れ落ちるように椅子にドスンと座った。看護婦さんが慌てて肩を抱いて倒れないように保護をしてくれた。私は隣で泣いていた。本当はお父さんは渉と野球の練習をしていた時に転んで胸を強く打って、病院に行くんだ。ただの打撲だったけど、たまたま撮ったレントゲンに癌が写って…そこから嵐のような生活が始まって、あれよあれよと言う間に死んだ。


でも、今日ここで宣告されたお父さんはどんな気持ちだろう…。