白い大きな車が交番前に来ていた。
ちなみに勝山さんはまだ不機嫌だった。
「おまわりさん、今日はありがとう。」
「いいえ。じゃあ…」
僕はバイバイと言おうとしたのだ。
ーだが優斗に先を越された。
「またね!!おまわりさん!!」
「またね?うん!!
またね!!優斗。」
小さな、だけど温かい手は僕から放れた。
優斗は僕に向かって微笑みかけてから、車に向かって走って行った。
次にあの少年に会うときは本当に仮面ライダーのような子になっているかもしれないなぁ。
車のエンジンがかかってゆっくりと動き出した。
僕はその車が自分の視界から消えるまでずっと手を振り続けた。
小さくなる車の中は見えなかったけど、きっと優斗もそうしていただろうから。
この日、この村の出来事をおさめている僕の心のアルバムに
少年の笑顔が加わった。
end.