「あとで食うな」


そう言った彼の言葉が、まだ少し耳に残っている


「――――み!宇美!!」


突然聞こえてきた声に私は我に返る

あれから私は友達が皆そろうまで図書館で暇を潰し、今は皆でお昼を食べるべくして、大教室に集合している


「たく、宇美ってば何か考え事?」

「べ、別に考え事じゃない……」


そう答えながら、私は思い出して紙袋を机の上に出してくる

包みを1つ出して、まずは今日主役のアヤッペに「Happy birthday!」と言って渡す


「わぁ、ありがとう!!」


アヤッペには内緒にしていたからか、彼女はすごく喜んでくれる


「めっちゃ美味しそう!!ありがとう、宇美ちゃん」


そう言ってニッコリ笑うアヤッペを見ていると、少し照れてしまう