「あのね、これ友達へのちょっとした誕生日プレゼントに作ったんだけど、いっぱい出来ちゃったから貰ってくれる?」


「いっぱい出来たから、処理に困ってるの」そう付け足して彼に包みを渡すと、彼はそれを受け取ってくれた


「処理に困るって……それは大げさな言い方じゃない?」

「ううん!ほんとにいっぱい出来ちゃったから!!」


私の言葉に苦笑しながら、彼はチラリと包みを見る


「クッキー?」

「うん、クッキー。私が作ったから、たぶんそんなに甘くないはず」


私の作るクッキーは、なぜかいつもあっさりめ

砂糖を気持ち多めに入れてみた日でも、結局味はいつもと同じ甘さ控えめな感じのものが出来上がる

でも、意外にこれが好評

それも少し……自慢になっちゃうのかな?

受け取った包みを、彼はポケットにサッと入れる

入っちゃうところが驚き

まるで某アニメに出てくるポケットを思い出してしまう