そう考えた私だけれど、気遣い屋のアヤッペの事

きっとちゃんとしたプレゼントを渡したら、逆に気を遣われて悪い気がする

そう考えた私が用意したプレゼントは、様々な形のクッキー

私の1番の得意なお菓子

確実にサクッと作れるのが、少し自慢


市松模様と2色使いのハート型


それぞれを可愛くラッピングして、私は大学へと向かうために電車に乗り込んだ

ラッピングしたお菓子は友達の分も含めて数袋

ラッピングが楽しくなってきて、思わず友達にネタばらし


『明日、クッキー持ってくね』


そうメールして返ってきた返事は『それは愛しの坂城くんにもあげるんだよね♪』

坂城くんは、私と同じクラスの男の子

私の友達は、彼と私の事を色々くっつけようとしてくる

でも、彼はただの友達だし……きっと彼もそうとしか私の事を見てるはずがない

だから今日も『またそんな事言って…坂城くんはただの友達だよ?』と彼女に送り返す