それは入学してすぐの事だった。
私が運悪く先生に出くわしてしまい沢山の教科書を教室まで運ぶように、と頼まれた時の事だった。
「こんなに無理〜っ」
私は山積みにされた教科書を見て言った。
とりあえず運ぶしかない。
私は少しずつ運ぶことにした。
「――重いっ」
私がヨロヨロと廊下を歩いていると
「ねえねえ!教科書運んでるのっ?」
笑顔で話しかけてきた男子がいた。
「うん」
見たらわかるだろ、
と言いたいところだったが初対面の男子にそんな事言えるはずもなかった。
「持つよ。」
私の持っている教科書の半分以上をヒョイと取って持ってくれた。
「ありがとう。」
「いいよ」
「ところで何組?」
気になったので聞いてみると
「二組」
「えっ!?同じだっ」
私が驚いていうと
「知らなかったのかよ?」
「…うん」