片手は私の手を握ったまま

もう片方の手で
私の髪を撫でる



「みーくんの手、気持ちいい……」


みーくんは魔法使いかも知れない


私を抱っこする腕が
苦しみを吸いとってくれる

そばにいるだけで
不安な心を安心に変える

手が触れるだけで
私を幸せにする……


いつか
私も


魔法を使ってみたい

私の腕が
私の手が
私の存在が……


彼を幸せにできるように


神様
私を魔法使いにしてください



そして
私は眠りに落ちた