「…戻る気は、ない」


「……」


断言されちったよ。


堂々と授業サボる宣言したよね。



私は真面目人間だから授業には出たい。


というわけで、私は教室に戻るよ。



「…そう。私は戻るっ…っと、ぅわっ!」



立ち上がろうとしたら、腕を引っ張られ体勢が崩れた。


そのまま奏斗の腕の中に収まってしまった。






「…あの、奏斗くん?」


私はビックリして奏斗を見上げた。


見えた奏斗の顔は、脅し…に近い笑顔。


私は危険を察知し、すぐに下を向いた。



「お前も、もちろん、戻んねーよな?」



奏斗は「もちろん」という部分を強調して言った。



…え゙?










…戻りたい。





反論しようと再び顔を上げると、ニコッと笑う奏斗。


…も、戻り…







…ませんッ!




私は奏斗に負け、白旗を上げた。



「だよな。じゃあ…」



奏斗は勝ち誇った顔すると、私の頬に手を伸ばした。


奏斗の顔が私に近付いて、もうすぐで二人の距離がゼロになりそうだったその時─






─バンッ!



「…!!」






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