「ねぇ、そこでイチャつかないでくんない?見ててウザい」
私たちを見ていた律が、皮肉混じりに突っ込んできた。
「イチャ!?イチャついてなんか、ね、ねーよ!」
「小夏ちゃん、顔赤いよ?」
お弁当を食べ終わった由奈がクスクス笑って言った。
ゔっ…!
こんなんで赤くなるなんて。恥だ。
隣で奏斗は私を見るとプッと吹き出した。
…ッ!なんかムカつく!
「なんかアッついね〜!俺らは先に教室でも戻ってる?」
秋哉が手で扇ぎながら私たちにウィンクすると、律を引っ張って出て行こうとした。
…何故ウィンクした?
「そーだね」
由奈も立ち上がると秋哉の後に続いて出て行こうとした。
「え?由奈?」
「はぁ?俺の話は?まだ終わってねーんだけど!」
秋哉に引きずられながらも、律は抵抗するように手足をばたつかせる。
「「ごゆっくりー!」」
律を無視して秋哉と由奈は手を振って屋上から出て行った。
…行っちった。
もう!由奈まで私を置いていくなよォ!
「なぁ」
私が三人の出て行った扉を見ていると、奏斗が話しかけてきた。
「何さ」
奏斗に目を向けると、奏斗はニヤッと笑った。
…なんか寒気が。
「さっきはチャイムが鳴って教室に戻ったけど、今は昼休みでここには邪魔者もいねーし…」
喋りながら段々と私に近付いてくる。
そして、私との距離があとほんの数センチって所で止まると言葉を続けた。
「さっきの続きでもする?」
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