毎週木曜日の午後3時、メンタルクリニックにカウンセリングに通う。
ーームダな時間ーー
そこで他愛もない1時間を過ごす。
『この1週間よく眠れましたか?』
『調子はどうでしたか?』
無表情のメガネから穏やかな口調で発せられるいつもの質問。
『よく眠れました。調子もいいです。』
アタシは軽く笑みをたたえ、いつものように答える。
…………外側の顔。
(アタシの何が知りたいんだろ?
ていうか知ってどうすんの??
知ったら知ったで月並みな言葉並べて、カウンセリングもどきのつもり??
アタシ以上の経験をアンタは積んできてる訳??
きっと学生時代なんて勉強勉強で遊ぶヒマもないくせして。
ずっとエリートできた人が人の痛みなんて分かるわけないしゃん…。
医学書か何かを読んで最もらしい言葉を並べるだけ…)
だからアタシは本音を言わない。
『決して誰にも本音を言わない』
ずっとそう決めてきた。
医者はもともと大嫌いだった。
気取ってプライドが高い割には、女癖が悪く、おかしな性癖を持つマニアックが多い。
紳士なんてどころじゃない。
看護士とかなりの確率で不倫してるって聞くし。
デブもハゲもチビも医者っていうブランドだけで女がついてきてるだけじゃん……。
……クダラナイ。
『医者』っていう肩書き取ったら何にも残らないくせして………。