(………………)



(……暑ィな…)


8月猛暑
外では、アブラゼミが
しつこく鳴き散らしている

(……五月蝿ぇ…)


蝉の声に加えて、下から聞こえてくる奇声に不快を感じながら…少年は、窓から階下を見下ろした。

(…また、あいつか…)

少年は眼の端で道場を見ながら深くため息をつき、視線を空へ仰いだ。

(…毎日毎日…よくやるぜ…)

怠そうな体をベットから起こし、少年は鞄を手に持った。

『蓮クン!』