男子達に囲まれながら、
そんなことを振り返っていると、
優人兄ちゃんらしき人が背中を向けて帰っていっているのが見えた。
一目で優人兄ちゃんだってわかった。
追いかけようとしたのに、
男子に腕をつかまれて
「彩加ちゃんどこいくの?」
「あの人のところ。」
「けど、帰ってるんだから、会いたくなくなったんじゃないの?」
「スキだったら普通は会いに来るでしょ?」
「彩加ちゃん、騙されてんじゃないの?」
男子が口をそろえてそういった。
彩加のこと好きじゃないの?
優人兄ちゃん。
会いに来てくれたんじゃないの?
彩加は不安になって追いかけることができなかった。