楽しそうに未来は明るいと言わんばかりの母の言い方に



「馬鹿じゃねぇの?」



ぽつんと呟いたアタシの声はやけに響いて




「え?」




「何考えてんの?お母さん働いてもいないのに、どうやって生きていくつもり?」



「心配ないよ。へそくりもあるし、パートも始めたから」




「この家は?売るの?」




そう言ったアタシの声は震えてて



「うん。売ったお金はお母さんにくれるってお父さん言ってくれてるの」




鈍器で頭を殴られた感覚だった。ずっとアタシの居場所だったこの家が失くなる…今はレイとの家が全てだけど、簡単には割り切れない。愛着だってあるし…