「ありがとうございました。今日はこれで…」


そう言い立ち上がったレイの腕を掴み




「彫りたい。今すぐに」



わかってる。我が儘なのは…



「今日は無理だって」



レイに言っても無駄だと思ったアタシは前に座ってるシンさんに



「お願いします。今から彫っていただけませんか?」


賭けに出た。



「お前、いいかげんにしろよ。シンさんだって…―」


「いいよ」



レイの声を遮ってシンさんはそう言い



「今日暇だし」



「ありがとうございます!」