頭を鈍器で殴られたような衝撃と共に、グワングワンと脳みそが揺れる感じが一面に広がる。


……やっちまった。


真っ白な脳内で、その言葉だけがクッキリと浮かんでいた。


もう笑う力も残ってなくて。

それでも、変にプライドの高い私は涙なんか見せたくなくて。


悪魔から視線を逸らし「ごめん」と呟くと、腕に目を押しつけるようにして机に突っ伏した。


鼻が苦しい。

だけど吸ったら泣いてるって思われるから、口で息を繰り返す。

不快な湿気た空気がモワモワと顔中を撫で回った。


そんな自分が情けなくて、酷く惨めに思えた。


「……クマタ」

「…………」

「おい、クマタ」

「…………」

「てめぇ、シカトか」

「…………」

「上等だ」

「え……私?」


隣からただならぬ殺気を感じ、私は突っ伏したまま少しだけ顔を横にずらす。


少し濡れた瞼に空気が当たって、ひんやり冷たかった。