「あ……そっか。ありがと」


一言言ってくれればいいのに。

私、そんなに長くトイレにいなかった……はず。


こういう時、自分の存在価値を嫌という程思い知らされる。


いてもいなくても、別に変わらない存在。

独りにしても大丈夫な存在。


そう思われてるって実感する度に、胸が張り裂けそうになる。

そう思わせてんのは自分なのに、私は図々しく傷ついてる。


だけど、傷ついてるって事を周りに知られたくない。

『あの子独りなんだ』って思われたくない。


だから、今も。
目の前のクラスメートにバレないように、私は平気なフリして笑ってる。


なんでだろう。

騒がしいクラスの中だと、ポツンと独りでたたずんでんのが無性に寂しく感じる。

涼子達に対してモヤモヤしたものが胸を疼いてくる。


私は矛盾してる。

友達といると疲れるくせに、独りだと寂しい。


自分でも自分がどうしたいのかわからない。


ただ、私はすごくプライドが高いんだろうなって事は自覚してる。