──……暗闇の中でふと気づいた。



あいつは、どこだ?



声が出ない。

歩いてんのに、足音さえしない。



──っ……なんなんだよ。



今まで経験したことねぇ無音状態。

頭がおかしくなる。





……どこにいんだ、あのバカ。




俺なんかのために顔ぐしゃぐしゃにして泣いて、

俺がずっと欲しかった温もりを無償で与えてくれた。


……なによりも大切なあいつ。





どこにいんだよ。









……なぁ。