ダルそうに起き上がる悪魔。

イヤホンを外し、『なんか用か』と言わんばかりの視線を向けてくる。


「あ、あの」


ドゴン。ドゴン。

煮えたぎるような音をたてる心臓。


「体育の先生が、呼んでたよ」


…………。


…………あ。


あー……


あぁー……



ダメ、この沈黙。

精神的に。



「……わざわざんなこと言いに来たのか」



あぁ……面倒臭がられてる。

何コイツって言いたげな目で見られてる。


「……うん」

「…………」


……気まずい。

気まずすぎる。

この雰囲気、すっごく気まずいよぉぉぉー!!。


どうしよう。

一刻も早く立ち去りたかったのに、すっかりそのタイミングを逃してしまったじゃないか。