悪魔がいそうな場所と言えば、思いつくのはあそこしかなかった。
以前、一度だけ連れていかれた事のある実習場裏。
もしそこにいなかったら、私はたった1人であのカラフル頭の恐ろしい方々と対面しなきゃいけないわけで。
……もしそうなったら一生怨んでやる。
内心冷や汗びっしょりで、封筒を握り締めないように注意しながら歩いていると──
「えーっと……ひなた、さん?」
聞き覚えのない、低い声が届いた。
ちょうど駐車場の車をジグザグに通り抜け、実習場が見えた時だった。
実習場と向かい合わせに建ってる校舎の壁に、車体の影に隠れるようにして寄り掛かって座ってた人は、おもむろに立ち上がる。
派手な身なりをした、見るからに私とは人種の違う男子生徒。
「え? え、と……?」
誰?
なんで呼び止めたんだ?
なんで私の名前知ってんの?
謎が多すぎてスマートに対応出来ない。
「隆斗さんに用事ッスか?」
「あ……はい」
「そうッスか、……えぇっと……」
以前、一度だけ連れていかれた事のある実習場裏。
もしそこにいなかったら、私はたった1人であのカラフル頭の恐ろしい方々と対面しなきゃいけないわけで。
……もしそうなったら一生怨んでやる。
内心冷や汗びっしょりで、封筒を握り締めないように注意しながら歩いていると──
「えーっと……ひなた、さん?」
聞き覚えのない、低い声が届いた。
ちょうど駐車場の車をジグザグに通り抜け、実習場が見えた時だった。
実習場と向かい合わせに建ってる校舎の壁に、車体の影に隠れるようにして寄り掛かって座ってた人は、おもむろに立ち上がる。
派手な身なりをした、見るからに私とは人種の違う男子生徒。
「え? え、と……?」
誰?
なんで呼び止めたんだ?
なんで私の名前知ってんの?
謎が多すぎてスマートに対応出来ない。
「隆斗さんに用事ッスか?」
「あ……はい」
「そうッスか、……えぇっと……」