……一体どうやって体育館に呼べと言うんだ、この人を。



1メートルくらい離れた場所からジッと悪魔を観察する。


さっき来た時と変わらぬ体勢で、イヤホンもつけたまま。



……どうしよう、マジで。



名前を呼んでも気づかないだろうし。

ボディータッチは末恐ろしいし。



「はぁ……」


っていうか、私の言うことなんてきいてくれないと思うんだけどなぁ……。

でもウダウダしてても仕方ないかぁぁぁ……。



──ツン、ツン。


腹を決めた割には情けないくらい恐る恐るだったけど、

悪魔の肩を人差し指でつつくことに成功!!


でも、突っ伏してるせいで肩パットが浮いてる。

気づいてないかも……。

なんて思った時、俯せていた顔がこちらを見上げた。

鋭い瞳。



……体が凍りついた。