「そっか」


『なんで?』とは聞いてこない。

元々深く追究するつもりじゃなかったのか、私の事を気遣ってくれたのかはわからないけど、“あの事”を話さなくていいんだと安心した。


……数学のおっさんの事は、今でも許せない。

多分、一生許せないと思う。


けど最近、私の中で少しだけ変化があった。


そう……あの日、悪魔の話を聞いてから。


『見返してやりてぇんだよ』

『ぜってぇ、俺の事認めさせてやる』


悪魔の考え方は、少なからず私に影響を与えていた。


そりゃ、悪魔と数学のおっさんが話してんのを見ると今でもモヤモヤするし、教科書忘れても前みたいな絡み方はしない。


悪魔の話を聞いた時『すごい』と思ったけど、だからと言って私も悪魔のように振る舞いたいのかというと、それは違うと思った。

私には私なりの考え方があるし、やっぱり数学のおっさんと今まで通りに接するなんて到底ムリ。


幼稚かもしれない。

けど16年間この考え方で生きてきたんだから、すぐに切り替えたりなんて出来ない。


──だけど。