体が地面に数センチほど沈んでしまいそうなくらい、重い重い沈黙。

心の騒めきが大きくなっていく。


足下が雲の上にいるみたいにフワフワしてる中、生唾を飲み込んだ時。


「……お前は、どうなんだよ」


低く静かな声が私に届いた。


顔をあげると、座ったまま遠くを見つめてる悪魔の横顔があって。

私はまた生唾を飲み込んだ。


「私……?」

「どう思ってんだよ、ほんとは」


悪魔はこちらを見ようとはしない。

私に気を遣ってんのか、ただ単に自分がそうしたいだけなのかはわからないけど、私からすればそれはすごく助かった。


「……私は」


スカートをさらに強く握り締めた。


「私は……よくわかんない」


その言葉に悪魔の眉がピク、と動いたけど、やっぱりこちらを見ようとはしない。


不安と安心の入り混じった複雑な心境で、私は目線を足下に落とした。

そして再び前に向き直り、言葉を紡いでいく。