ついこの間までは、目が合うだけで奇跡だった
だけど…今こうやって見つめ合ってる
それが自然なことで
そんな夢のようなことが、ホントに起こってる
私 なんて幸せ者なんだろ…
先生はバイクの横に座って、私はどこに立てばいいのか分かんないままうろうろ動いて、少しの間話した
バイク ほんとに楽しかったな
また乗せてって 言っていいのかな
考えてたら、先生は頭を傾けて 腕時計を見た
「うーん
もう暗いから…家入ろっか沙枝ちゃん」
少し笑いながら言った
そだね もう暗いし…
先生の顔が はっきり見えなくなってきてた
今日…楽しかった
ありがとう 先生
「うん… 帰ろっか」
また あと6分の5 会えないんだ…
こうやって目の前に先生がいること ないんだ
目を閉じて、この一瞬を 頭にちゃんと叩き込もうと頑張った
先生がここにいる感覚、 感覚…
「そんなあからさまに悲しい顔されると、帰れないんですけど」
「え!!」