先生は家の前まで送ってくれた
「え、ここ?」
「うん」
前のめりになってた二人の体がまっすぐになる
「すげー 庭広い~」
先生はヘルメットをとって、私の家を眺める
「いいなあ、純和風建築」
先生の横顔が、向こう側の点滅信号の光に照らされる
すっとした鼻筋を赤い光がきれいに形どる
辺りはもう暗くなり始めてる
「沙枝ちゃんは白壁のおウチに住んでるのかと思ってたよ」
「あは、よく言われるかも」
先生はバイクから下りて、バイクを駐車場の空いてるとこに動かした
私はまたがったまま、バイクと一緒にコロコロと運ばれる
バイクから降りて足が地面につくと、先生は私の頭からヘルメットを引っぱり取った
ヘルメットは元あった場所に入れられた
先生が振り返る
心臓がドキドキ鳴って、先生と視線が絡まった