どうやってここまで来たのか、全然分からない。


真っ暗で、時々街灯に照らされても大雨で白く見える中

引かれる方に必死についていっただけ


パシャパシャと音を立てて、はねた水が靴下を全部濡らした

先生の手と私の手の間も濡れて、つるんと滑りそうな中、離れないように強く強く握った


ほとんど前が見えないなか、急に音が静かになったと思ったら、ここにいた


息を切らしながら、先生がパスワードを入力してる


はりついたYシャツが色っぽくて、クラクラする。


自動ドアが開いて、先生は中に入った

「早く、おいで」

苦しそうな表情の先生に続いて中に入った


パタパタと走って先生のところまでたどり着くと、また先生は手を握った

この激しい鼓動は、走ったためか、それとも…

もう何か分からない